就活生と個別面会は午後6時まで、飲酒は禁止 NECが社員の性的暴行事件で採用指針変更

NEC本社ビル=東京都港区

NECは14日、社員がインターンシップで知り合った就職活動中の女子学生に性的暴行をした疑いで逮捕された事件を受け、採用活動指針を見直したと発表した。就職活動中の学生と社員が個別に面会する会場を限定し、面会可能時間を平日の午前9時から午後6時までとした。面会の際の飲酒も全面禁止する。

飲酒は全面禁止

NECは同日、警視庁が不同意性交の疑いで8日に逮捕した岡田一輝容疑者は、同社の社員だったことを明らかにした。岡田容疑者は、昨年11月30日午前4時ごろ、20代の女子大学生が住む東京都内のマンションの一室で性的暴行した疑いが持たれている。同社が同日発表したコメントでは、「社員が立場を利用し学生の皆さまにハラスメントを行うことは決して許されない行為」とし、被害者らに謝罪した。

事件を受けて、同社は採用活動全般に関するハラスメント相談窓口を新設し、採用活動指針を見直した。

これまでも社員と学生の個室での面会は禁じていたが、新たに一対一で面会する際は会社の施設内か大学構内の仕切りなどをなくしたオープンスペース、もしくはオンライン上に限定した。時間は1時間以内とした。

面会可能な時間は、これまで平日の午後9時まで認めていたが、これを3時間短縮する。

飲酒は、例外なく全面禁止とした。これまではインターンシップに限り、午後6時半までならば、飲酒を伴う懇談会の実施が可能だった。

ルール共有で社員を牽制

就活生と面会する場合は面会方法や場所、時間、学生の名前などを事前に上司らへの届け出が必要とした。採用に関わる社員は、指針に則って行動するといった誓約書の提出も義務付けた。

同社の担当者は、指針の改定に当たって「(男性社員と女性の学生を)一対一で面会するリスクに対応した」と説明した。今回の事件では、指針が守られていない場面が確認されたといい、誓約書の提出に加え、指針の中身を広く公開することで「学生にもルールを理解してもらう」と強調し、社員への牽制効果を働かせるとした。(奥原慎平)

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